1、帯状疱疹
『帯状疱疹』は水ぼうそう感染後に神経節内に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが何らかの誘因(ストレス・過労・悪性腫瘍などによる免疫力低下)により、再活性化して発症します。赤い丘疹や水疱が神経の走行に沿って帯状に出現し、時間経過とともに(かさぶた)化するのが特徴です。特効薬である抗ウィルス薬や鎮痛剤の内服と必要に応じて塗り薬を併用し治療します。しかしながら約2割の患者様に皮膚症状改善後も長期間にわたって痛みが続く帯状疱疹後神経痛を認めるといわれています。
また『帯状疱疹』には発症予防のためのワクチンがあります。発症のピークが75歳前後であり、ワクチンの効果が5年から10年と言われていることから70歳前後での接種が勧められております。当院でもワクチン接種を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

2、単純疱疹(ヘルペス)


単純ヘルペスウイルスの感染・再感染・再発(体に潜んでいたウイルスの再活性化)により、くちびるや性器の皮膚や粘膜に小さな水疱やびらん(ただれ)を主体とする皮膚病変が生じ、繰り返し発症してしまうこともあります。再発例への治療方法もありますので、再発を繰り返す方はご相談ください。
3、脂漏性皮膚炎/脂漏性湿疹
『脂漏性皮膚炎』とは、頭皮・顔面・耳後部などの皮脂分泌が盛んな部位に生じる皮膚疾患で、患部の紅斑(発赤)・(フケ様に皮膚ががれ落ちたもの)・軽度の掻痒を特徴とする皮膚疾患です。皮膚に常在する真菌(カビ)の一種であるマラセチア菌の関与により発症すると考えられています。

4、円形脱毛症
『円形脱毛症』は代表的な後天性脱毛症で頭髪の一部が円形から斑状に抜け落ちる疾患です。家族歴の聴取およびアトピー性皮膚炎・甲状腺疾患・膠原病などの疾患との関連性が知られており、まず血液検査をすることが勧められます。
治療はステロイドなどの外用およびグリチロンなどの内服、小さな範囲内であればアセチルコリンの局所注射を行います。

5、肝斑
思春期以降に生じる、顔面(目の周りを避け、目の下からほほかけて)に好発する左右対称性で境界鮮明な褐色調の色素斑です。紫外線曝露により色素斑の増強がみられるため、紫外線対策およびトラネキサム酸やビタミンCの内服が治療薬として広く使用されております。しかしながらトラネキサム酸の長期内服による血栓症の副作用も報告されておりますので、血栓症の既往を有する方・静脈瘤の指摘のある方・経口避妊薬内服中の方には注意が必要です。

6、尋常性疣贅(イボ)


『尋常性疣贅』とは、ヒトパピローマウイルスへの接触感染が原因で皮膚もしくは粘膜に生じる腫瘍性疾患で、通称“イボ”と呼ばれます。液体窒素を使用する凍結療法やサリチル酸外用による治療が比較的推奨度の高い治療とされています。また疣贅のできやすい方には漢方薬の処方も行っております。
7、鶏眼(ウオノメ)
『鶏眼』は足底およびの背側や側面などで、骨もしくは関節のある部位に反復する軽度の圧迫や摩擦などの機械的刺激によって生じる限局性の角質増殖です。要するに、石ころを踏んで歩いているのと同じであるため歩くと痛みを感じます。『鶏眼』の中心には径5~10mm程度の角質塊からなる核を持つ皮表を底とした過角化局面があり、この形態が鶏の眼に似ているため『鶏眼』、または魚の眼に似ていることより“ウオノメ”と呼ばれます。
